パパーラモの為替日記

欧米の不安材料多し

金曜日に重要度の高い米国の6月雇用統計が発表されて、非農業部門雇用者数では1万8,000人の増加ではありますが、市場予想である10万4,000人の増加を大きく下回りました。5月の5万4,000人増加も2万5,000人へ下方修正されています。また、労働参加率低下にもかかわらず、失業率は9.1%から9.2%に上昇しています。

 

発表直前の米雇用関連指標が好調だったことで、強め予想に対する期待値を高めていたことも含めてサプライズとなりました。今回の結果によって、やっと浮上しかけていた日米利回り格差を材料としたUSD/JPYの上昇意欲は低下したことになります。13−14日に予定されているバーナンキFRB議長の半期議会報告でも、出口政策を急がない姿勢が確認されると思われることからドルの上値は重くなりそうです。

 

しかしながら、第3弾量的緩和(QE3)についてはハードルが高く可能性は低いです。背景として、QE2決定後には原油や商品高がインフレを高め、支持層である米国民の生活を直撃しているとの批判が根強いためです。QE2は経済失策の可能性が指摘されています。

 

さらに米国では、連邦債務上限引き上げ問題を抱得ているます。公的債務(個人、法人、外国政府などの投資家によって保有されている連邦債務)と政府内部債務(財務省が連邦政府に対して支払い義務のある債務。ほとんどが年金基金への支払い)の合計が総債務上限14兆3,000億ドルの上限に達していることが問題となっています。米政府と議会は向こう数週間以内に合意する必要があり、合意できなかった場合は米国は国債の利払い、または元本の支払いが遅れデフォルトに陥るリスクにさらされます。たとえ一時的であったとしても、米国がデフォルトに陥った場合、重大で長期的な影響が金融市場に出ると予想されます。

 

12日(火曜)には、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(6月21、22日分)が公表されるほか、FRBがQE2を終了させて初めての米国債入札(3年)が実施されます。以降も米国債入札(10年、30年)の実施や、第2四半期の米企業決算発表(JPモルガン・チェース、シティグループなど)が本格化してきます。

 

ユーロでも、15日(金曜)には欧州中央銀行(ECB)の追加利上げが落ち着く中で、欧州の銀行ストレステストの結果が発表されます。昨年に比べれば厳格な基準で実施されていますが、ユーロ圏銀行セクターの不透明感を払拭するには力不足とみられます。各報道では、10−15行が資本不足で不合格と判定される見込み予想がありました。また、先週末にはフィナンシャル・タイムズ紙で欧州高官がギリシャのデフォルトを容認する可能性を示唆したと報じています。さらに今後はギリシャの債務危機の波及懸念からリスク回避の動きが加速する可能性があり、イタリアやスペイン、ポルトガルの格付け会社からの格下げリスクにも注意が必要になってきます。ユーロ圏では依然として懸念材料が多く、今後も材料次第で一喜一憂することになりそうです。